NETWORK ACCESSIBILITY PROJECT 設立趣意書

ネットワーク・アクセシビリティ・プロジェクト代表、高村明良、中根雅文

目的

情報・通信分野における、障害者のためのアクセシビリティを確立し、障害者の社会参加を促進すると同時に、生活の質の向上を目指す。

概要

情報・通信分野は、今後ますます重要な社会的インフラストラクチュアとして整備発展が見込まれる。この結果、教育・労働・行政・金融・商業・医療など、あらゆる分野で情報・通信技術を駆使したシステムが広く用いられるようになることが予想される。一方、現状における情報・通信機器やコンピュータ・ネットワークは、必ずしも障害者・高齢者にとってアクセシビリティの高いものではないという問題が存在している。広い分野で情報・通信技術が積極的に利用されるようになったとき、このような障壁は障害者の社会参加の機会を奪い、その生活水準を低下させる結果にも結びつきかねない。したがって、情報・通信機器のアクセシビリティを確立し、保障していくことは非常に重要である。

従来から、官庁の主導による研究会、大学や企業などによる研究活動においてアクセシビリティの研究はさまざまな形ですすめられており、その重要性に対する社会の認識も高まってきている。しかし、このような研究が、必ずしも実際の製品開発やサービスの提供に結びついていないのが現状である。本プロジェクトは、情報・通信機器のアクセシビリティを確立するための取り組みを中心とした活動を行なう。

活動内容

このような国内状況をふまえ、本プロジェクトでは以下に挙げる点を中心として活動を進める。

  1. 障害者が情報・通信技術を利用できないことによって生じる不利益を明確 にし、アクセシビリティ確立の重要性を広く啓蒙する。
  2. 障害者が情報・通信技術を利用できることの利点を明確にし、障害者に対 してアクセシビリティ確立の重要性を啓蒙し、同時に情報・通信技術の利 用の促進を計る。
  3. 情報通信関連技術のアクセシビリティを確率していく上で、解決するべき技 術的問題を障害者の立場から明確にし、その解決方法を検討・提案する。
  4. 社会の情報化が進み、情報・通信技術のアクセシビリティが確立されたと き、アクセシビリティを保障していく上で直面しうる社会的問題を明らかにする。
  5. アクセシビリティ向上のための取り組みなどについての調査や、その内容 に関する検討を行なう。

プロジェクト運営方針

プロジェクトの運営に関わるメンバーによる例会を定期的に開催し、本プロジェクトの運営や活動に関する決定を行なう。また、決定事項や活動計画などは、広く一般に公開することを原則とする。