盲学校における情報処理教育改善のための提案 -- 視覚障害者の自立 と社会参加を助ける情報処理能力の習得へ向けて --

発表の概要

自己紹介

私とコンピュータ

視覚障害者のコンピュータ利用の意義

自立と社会参加のための道具

社会に出る前に身に付けておきたい技術。

視覚障害者のコンピュータ利用の歴史

1970年代後半
アメリカを中心に、障害者のコンピュータ利用へ向けた取り組みが 始まる。
1980年代前半
アメリカでの取り組みが活発となる。日本でも徐々に注目されるよ うになる。 (アメリカでは Apple, 日本では PC8801など)
1980年代半ば以降
アメリカでは学校へのコンピュータの積極的な導入が始まり、それ に伴って視覚障害者向け技術も急速に発展 (Apple から IBMへ)
1980年代後半
欧米では視覚障害者の利用者が増加し、日本でも実用レベルのシス テムが実現される。
1990年代前半
欧米ではコンピュータを利用する視覚障害者が急増。日本でも、利 用者が徐々に増加。 (MS-DOS全盛期)
1994年
商用インターネットサービスの開始にともない、日本でもインター ネットの利用者の増加が始まる。この頃から、視覚障害者のコンピュータ 利用者の増加も大きくなり始める。
1995年
Microsoftが Windows95 を発売、一般へのコンピュータの普及が加 速する。 (MS-DOSから Windowsの時代へ)
1999年
Iモードのサービス開始にともない、インターネット利用者数が急 増。視覚障害者のコンピュータ利用者も増大する。

アクセシビリティ確立へ向けた動き

アクセシビリティとは、誰もがほぼ同じコストでほぼ同じ量 の情報を得たり、ほぼ同じ量の作業を実行できることである。

視覚障害者のためのコンピュータ技術とその特徴

盲学校における情報処理教育に関する現状調査

視覚障害者の情報処理技術習得の過程

  1. キーボード操作の習得
  2. 特定の単一アプリケーションのみを利用する目的でコンピュータを 使用する
  3. 複数のアプリケーションを目的に応じて使い分ける
  4. 漢字仮名混じり文の作成能力の習得
  5. 自分に適した画面出力方法とその確認方法を確立する
  6. OSの基本的な操作を行う
  7. 利用したことのないアプリケーションを独力で導入、利用する

アンケート結果 (1)

情報処理技術の習得状況

盲学校在学中に習得すべきだ と考える技術 実際に平均的な生徒が習得で きる技術
人数 割合 (%) 人数 割合 (%)
キーボードの操作 45 100 39 87
単一アプリケーション利用 17 38 26 58
複数アプリケーション利用 29 64 14 31
漢字仮名混じりの文書作成 41 91 29 64
自分に適した画面出力の確認方法の確立 39 87 12 27
OSの基本操作 24 53 8 18
新規アプリケーションを独力で利用 7 16 0 0

アンケート結果 (2)

視覚障害者の情報処理教育において重要だと考えられること

有効回答数
42
人数 割合 (%)
指導者向けの分かりやすいソフトウェアのマニュアル 18 43
実際にコンピュータを効果的に活用している視覚障害者の経験を聞くこと 29 69
視覚障害者と同じ環境でのコンピュータの利用体験 18 43
ソフトウェアの利用法などの講習を受けること 13 31
視覚障害者が利用している入出力方式に関する正しい理解 26 62
効果的なカリキュラムの例 14 33
その他 3 7

アンケート結果 (3)

学びたい事項

回答数
38
人数 割合 (%)
スクリーンリーダー・拡大ソフトおよび関連ハードウェアに関する最新動向 7 18
スクリーンリーダー、拡大ソフトおよび関連ハードウェアの使用方法およびその指導方法 10 26
視覚障害者のインターネット利用方法およびその指導方法 3 8
Windows上でのソフトウェアの使用方法およびその指導方法 13 34
キーボードのみを用いた Windowsの利用方法 3 8
視覚障害者向け情報教育の実践例 6 16
個々のニーズに合わせたコンピュータ使用環境の構築方法 4 11
実際にコンピュータを利用している視覚障害者の利用方法や利用状況 3 8
弱視生の指導方法 1 3
フルキー入力の指導方法 1 3
プログラミングの指導方法 1 3
視覚障害者が使用する環境を実際に使用する体験 1 3
情報教育に関する技術や今後の展望 2 5

現状・問題点の整理

状況の改善へ向けて

発表資料