本日の内容

• 自己紹介
• 視覚障碍があるコンピューター・ユーザーを取り巻く国内外の状況
• 日本におけるNVDA

基本情報

• 中根 雅文
• 全盲
• 20年来、アクセシビリティーをキーワードに活動
• アクセシビリティーの情報サイトAccSell主催

PCなどの利用状況

• 主に使っているのはWindows
• iPhoneも仕様
• AndroidとMac OS Xも時々利用

Windowsの利用環境

• 主にWindows 8.1を使用
• 中心はJAWS
• 必要に応じてNVDA、PC-Talker、Narratorを使用

英語圏における視覚障碍者とWindows

• Windows 95以前から、Windows用スクリーン・リーダーが登場
• 90年代終わり頃にはWindowsユーザーの数が大幅に増加した印象
• DOS環境からWindows環境へのユーザーの以降は、一気に進んだ印象
• 主にWindowsを使い、必要に応じていわゆるDOS窓で古いソフトウェアを使うような使い方がされたが、DOS窓を使うケースは総じて少なかった印象

日本語対応スクリーン・リーダーの現状

• 安価なスクリーン・リーダーとして広く受け入れられているPC-TalkerとFocusTalk
• 高機能スクリーン・リーダーとしてとらえられているJAWS
• いずれのユーザーからも一定の注目を集めているNVDA
• 古い製品を使う人も少なからずいると考えられる現状がある

日本国内における視覚障碍者とWindows

• 日本国内では、高機能なWindows用スクリーン・リーダーの登場が遅かったこともあって、2000年代前半でもまだMS-DOSやWindowsのいわゆる「DOS窓」を主に使っていた視覚障碍者が多かった
• MS-DOSやDOS窓を主な環境として、必要に応じてWindowsを利用するような使い方
• 日本語版JAWSの登場やPC-Talkerの高機能化、Windowsそのものの普及で徐々に使い方が変化

視覚障碍者専用ソフトウェアの存在

• 特定のタスクをこなすための視覚障碍者専用ソフトウェアとスクリーン・リーダーの併用という利用スタイル
• 代表的なものとしては、IBMホームページリーダーが挙げられる
• 用途によっては最適な利用環境を実現することができる

視覚障碍者専用ソフトウェアの問題点

• 開発コスト
• 早い変化への対応が困難
• 学習やトレーニングの難しさ

PCの利用用途が限定されていて、関連技術の変化にタイムリーに追従できれば特に問題はない。

視覚障碍者の主なPCの用途

• 文書作成
• メール
• Web閲覧
• OCR
• その他

変化の速度が速まる傾向

• 特にWebは、常に変化が早い
• 近年ではブラウザーのバージョンアップやOSのバージョンアップの頻度も高まっている
• 専用ソフトウェアに頼るのが年々困難に
• 汎用的に利用できるスクリーン・リーダーの重要性が増加

NVDAの位置づけ

• 登場当初は、無料で利用できるということが唯一の特徴だったといっても良いようなスクリーン・リーダーだった印象
• 年々高機能化し、存在感が増大
• 新たなスクリーン・リーダーの選択肢としてとらえる人も増加

NVDAの利点

• 更新頻度の高さ
• 比較的高い汎用性
• 導入コストの低さ

NVDAのデメリット

• 学習の難しさ
• 日本語特有の問題
• 他のスクリーン・リーダーからの乗り換え先となることが多いという立ち位置による不利

乗り換え先としてのNVDA (1)

• どうしてもそれまで使っていた製品と比較してしまう
• オブジェクト・レビューの理解の難しさ
• 思想の違い

乗り換え先としてのNVDA (2)

• 合成音声の品質への不満
• 日本語の処理に関する問題
• 用語の相違

NVDAの発展に必要なこと

• 乗り換えユーザーを意識しすぎない機能の向上
• 乗り換えユーザーを意識した工夫
• トレーニング・プログラムの実現
• ユースケースの提示
• ユーザーによるプロジェクトのサポート

おわりに

• 複数のスクリーン・リーダーを併用せざるを得ないのが現状
• Windowsの頻繁な更新に対応するために、NVDAが有力な選択肢になっている
• 1ユーザーとして大いに期待している

本日のスライド

http://www.accessibility.org/~max/talks/201409-nvda.html

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